永遠の憧れエルメスのケリーを徹底解説!豊富なサイズ展開や仕様だけでない魅力とは

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エルメスは誰もが憧れる超がつくほど高級なブランドです。

その人気ぶりは他のブランドと一線を画しています。

革の品質と、製品を作り上げる職人の腕に並々ならぬこだわりを持ち、常に最高品質のバッグや財布、革小物を作り出すエルメス。

今回はエルメスを代表する定番バッグ「ケリー」について、その誕生秘話や特徴、仕様、価値についてご紹介します。

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エルメスのケリー誕生秘話

エルメス伝統的なケリーのデザイン
エルメス伝統的なケリーのデザイン

ケリーはエルメスの中でも非常に歴史が古いモデルです。

誕生したのはバーキンが誕生する50年前の1935年のこと。誕生当時は「サック・ア・クロア」という名称でした。

ケリーにまつわる主な歴史は以下です。

  • 1837年:エルメスがパリにて創業
  • 1892年:最初のバッグモデル「サック・オータクロア」を製作
  • 1935年:ケリーの前身「サック・ア・クロア」を製作
  • 1956年:サック・ア・クロアから「ケリー」に名称を変更

前身となったサック・ア・クロア登場以降の歴史を少し掘り下げて解説していきます。

サック・ア・クロア

サック・ア・クロアは2代目社長エミール・エルメスの娘婿でのちに後を継ぎ社長を務めたロベール・デュマによって生み出されました。もともとは王族御用達の高級馬具工房だったエルメス。

しかし、馬から車へと移動手段が変化した時代背景を理由に社長のロベール・デュマは、女性の為に“持ち運びが便利な小ぶりで機能的なバッグを作りたい”と考えました。

そうして生まれたサック・ア・クロアと名付けられたエレガントで機能的なこのバッグはたちまち広まり、発売以来人気を集めました。

グレース・ケリーが名前の由来

「ケリー」という名はサック・ア・クロア誕生から20年後に付けられた名前です。

名を改めた理由は、大人気の元ハリウッド女優だったモナコ公妃グレース・ケリーが愛用していたことにあります。

1955年、彼女が妊娠中の姿をパパラッチされた際、とっさにサック・ア・クロアでお腹を隠しました。撮影された写真は雑誌の表紙を飾り、瞬く間に全世界に知れ渡ることとなります。

ファッションアイコンとして影響力を持っていたグレース・ケリーが愛用しているバッグとして一気に人気が高まり、1956年エルメスはモナコ王室から正式な許可を得て「サック・ア・クロア」から「ケリー」に改名しました。

エルメスのケリーの特徴

シンプルかつエレガントなデザイン
シンプルかつエレガントなデザイン

ケリーは台形のかっちりとしたフォルムが女性らしくエレガントな印象のバッグです。

一番の特徴はバーキンなどのダブルハンドルと違いワンハンドルであること。これによりトートバッグではないハンドバッグであることを印象付けられます。

クロアとカデナでロックできる

今やエルメスの様々なモデルで導入されている金具デザイン
今やエルメスの様々なモデルで導入されている金具デザイン

フラップ(蓋)を本体に被せてから、クロア(ベルト)で留めることができます。また、付属のカデナ(南京鍵)を利用することでフラップをロックすることもできます。

普段使いされている方はカデナで施錠して着用している方は少ないと思いますが、見た目の印象以上に機能的でかつ堅牢性があります。

ショルダーストラップが付属し2WAY利用が可能

ケリーには「ショルダーストラップ」が付属するため、肩掛や斜めがけにしてカジュアルに持つことも可能です。

ショルダーストラップが付属するようになったのは、サック・ア・クロアからケリーに改名されて以降ですが、多様な使い方をすることができるようになっています。

エルメスのケリーの仕様

ケリーの仕様はモデルによって様々な種類で展開されています。

エルメスの製品はカラーバリエーションが豊富なことでも知られますが、ケリー特有のサイズ展開や素材の展開について解説します。

ケリーのサイズ展開

ケリーはサイズ展開が豊富で8つのバリエーションがあり、用途に合わせたサイズを選ぶことが可能です。

25㎝よりも小さいコレクターズアイテムである15㎝の「ミニミニケリー」や20㎝の「ミニケリー」もありますが、ここでは現行品でも多く生産されている定番の三種類をご紹介します。

ケリー25


横25㎝×縦17㎝×幅10.5㎝
横25㎝×縦17㎝×幅10.5㎝

貴重品を収納できるコンパクトなサイズが魅力的で、最も人気のあるサイズ。

中古市場でも高額で取引されています。

25㎝以上のケリーには肩がけ出来るショルダーストラップが付きます。 

ケリー28

横28㎝×縦22㎝×幅11.5㎝
横28㎝×縦22㎝×幅11.5㎝

25㎝よりひと回り大きいサイズの28㎝は長財布が収納でき、手帳も入る使い勝手の良い大きさです。

最も市場に多出回っている数が多いのも28㎝です。

25㎝に次いで人気があり、中古市場でも高価買取が期待できます。

ケリー32

横32㎝×縦23㎝×幅12㎝
横32㎝×縦23㎝×幅12㎝

ケリーの名前の由来となったグレース・ケリーが愛用していてパパラッチされたのは、この32㎝のバッグです。

初期のモデルで多いサイズですが、現在はやや人気が小型のモデルに傾倒しており、生産数が少なくなりつつあります。

ケリーで使われる革素材


過去には珍しい素材の展開も多い
過去には珍しい素材の展開も多い


ケリーは歴史が古いバッグであるが故に、様々な素材で展開してきました。珍しい素材をあげるとキリがないほどです。

ここでは近年製造されているケリーで用いられる5つの素材をご紹介します。

トゴ

雄の仔牛の皮革を使用した素材。

扱いやすく大人気の定番素材でバッグだけでなく幅広い革小物製品に使用されています。傷がつきにくいので扱い易く、それ故にファーストエルメスに選ばれることが多い素材です。

ヴォーエプソン

雄の仔牛の皮革を使用した素材。

細かい型押しが施されていて、張りがあり硬い質感です。かっちりとしたフォルムが特徴で、型崩れしにくい点が人気です。

ヴォースイフト

雄仔牛の皮革を使用した素材で、質感は他の革に比べて柔らかくて滑らかです。

ヴォースイフトは淡色カラーなら柔らかく発色し、濃色ははっきりと色味が発色します。

トリヨンクレマンス

雄の成牛の皮革を使用した素材。

滑らかな質感が特徴で、トゴと比べると柔らかい素材です。大きい片押しで摩擦に強く傷がつきにくい点が人気です。

エキゾチックレザー

エルメスではエキゾチックレザーを使用した製品も幅広く展開しています。

大きく分けると以下の三種です。

  • クロコダイル(ワニ革)
  • オーストリッチ(ダチョウ革)
  • リザード(トカゲ革)

絶滅危惧種に認定されている爬虫類の皮革は、近年入手が困難になり希少性が高く高額です。

中でも、入手が非常に困難とされているニロティカスワニを使用した「ヒマラヤ」はエルメスの皮革の中でも最高級とされています。

僅かながらもある程度流通している「ヒマラヤバーキン」に比べると「ヒマラヤケリー」はレア中のレアで希少性が非常に高いです。

あまりにも幻のバッグである為に、直営店以外の専門店やリユースショップでは定価の1.5倍から3倍の高額で販売されています。

外縫いと内縫いの二つのデザインがある

ケリーの縫い目デザインを比較

ケリーには同じサイズのバッグでも「内縫い」と「外縫い」が存在します。

それによって印象もだいぶ変わってきます。

内縫い

内縫いは、裁縫部分を隠すようにステッチを生地の中に織り込んでいます。それ故に同じサイズの外縫いのケリーに比べて見た目は約1㎝小さくなります。

内側で縫われている為、ステッチが見えず、角が丸くなることで柔らかい女性らしいフォルムを実現しています。

内縫いのケリーは、カチッとした外縫いに比べるとカジュアルな印象なので、改まった場面だけでなく活動的でアクティブな場面にも持つことが出来ます。

外縫い

外縫いは、職人が外側から手縫いでステッチを施していて、外観でステッチが確認できます。

内縫いと違ってかっちりとしたフォルムが特徴的で、改まった場面に持つバッグとして最適です。

外縫いのケリーは、内縫いよりも見た目が1㎝程大きくなるので、同じサイズでも持った際の印象が変わります。選ぶ際は、内縫いと外縫いのケリーを持ち比べてみることをおすすめします。

特殊な形のケリー

珍しい形のケリーも数多く展開されている
珍しい形のケリーも数多く展開されている

ケリーには特殊な形が多く、「ケリー」という名前こそついていますが見た目が全く違うという製品が多数存在します。

例えば、「ケリースポーツ」のような小振りで縦長のポシェットタイプでしたり、「ケリーアド」のようなリュックタイプ、「バナナケリー」のようなウエストポーチ、等様々です。

コレクターズアイテムとして人気の高い「ケリードール」のような品も存在します。

安価なビニール素材を使用した「ビニールケリー」は1997年、1998年に開催された展示会の会場で限定販売されたノベルティグッズです。当時数千円で販売されていましたが、その希少性から近年リサイクルショップやオークションなどで10倍を軽く超える価格で取引されているというから驚きです。

このように、1935年に「サック・ア・クロア」という名前で製造が始まったケリーは、バーキンよりも歴史が長くそれ故に派生したモデルが多く、とにかく種類が豊富です。

バーキンとの違いについて

エルメスを代表するバーキンとケリー
エルメスを代表するバーキンとケリー

ケリーとバーキンの明らかな違いはハンドルとショルダーストラップの有無です。

ケリーはよりフォーマルな印象のワンハンドルで更にショルダーストラップが付きますが、バーキンはダブルハンドルでショルダーストラップは付きません。

また、ケリーは、台形のエレガントなフォルムが特徴的で、バッグの蓋となるフラップを本体に被せてクロアで留めて持つのが一般的なのに対して、バーキンはフラップを内側に入れ込んでベルトを閉めずにオープントートとして使うのが一般的です。

ケリーもバーキンも絶大な人気を誇り、店頭に並ぶことがまずありませんが、近年ではややバーキンの方が人気が上かという印象です。

だからと言ってケリーと同等の人気やブランド力があるバッグが他にあるか?と言われるとバーキン以外には考えられません。

ケリーの資産価値や買取相場について

ケリーはバーキン同様、人気が高く資産価値の高いバッグと言われています。中古品でも高い金額で売却することができるバッグです。

何故そこまで人気なのか、ケリーの価値についてご説明します。

希少性が高いから高騰する

直営店でバーキンやケリーを購入できる事は極めて稀で、案内してもらうにはエルメスのプレタポルテやシューズなどをトータルで購入する「顧客」にならなければいけないとされています。

一見客では直営店でバーキンやケリーにお目にかかることは無いに等しいです。

それ故に、バーキンやケリーはサイズやカラーによって変動しますが、直営店で販売される定価を超えて専門店などで1.5倍から2倍の価格で販売されています。

高値がつく理由としては、バーキンやケリーなどの人気製品は生産される個数が限られており、直営店にもごく僅かしか入荷しない為、需要が供給に全く追いついておらず常に入手困難となっていることが挙げられます。

バーキンやケリーを求める人は増え続ける一方で、肝心の製品が品薄状態の為、必然的に価格が高騰するのです。

中古市場での取引価格

ケリーの買取相場は、サイズ、色、素材によって変動します。

最も高い値段がつきやすいのは25㎝と28㎝で色はブラックかエトゥープです。

参考までですが、28㎝のケリー(エプソン・外縫い・エトゥープ)は国内定価1,639,000円ですが、新品未使用品の場合、専門店では300万円近い高値で販売されています。

新品未使用品で人気のモデルであればそれ以上の値段で買い取ってもらえます。

中古品であれば状態や種類にもよりますがおおよそ50%〜80%の高値で買取されています。

ケリーの安定した人気と国内定価の上昇もあり、ケリーはバーキンに次いで資産価値のあるバッグといえます。

ケリーの持ち方やおすすめシーン

普遍的な人気を誇るケリー。おすすめの持ち方や活躍する場面をご紹介します。

フォーマルな場面に

ワンハンドルでデザインに無駄がなく、品があるケリーは改まった場面にはこの上ない程最適なバッグです。

パンツスーツ、スカートスーツ、エレガントなドレスなどのフォーマルな装いに抜群に合います。

自分や家族の人生の大切な場面に持つのに最適なバッグです。

和装で持つにも最適なバッグ

ケリーはカチッとしたフォルムがシンプルで控えめなので和装に良く合います。

和装に持つのにおすすめのサイズは25㎝で、カラーは着物の柄が引き立つニュートラルなカラーや淡色がおすすめです。

洋服にも和装にも合うまさに万能なバッグと言えます。

肩がけしてカジュアルな場面に

かっちりとしたフォーマルな印象のケリーですが、バーキンには付かないショルダーストラップが付属でついています。

ショルダーストラップを本体に取り付けて斜めがけすると、デニムにシャツといったカジュアルなスタイルにも良く合います。

肩がけすると両手が空くので、活動的に過ごす日に持つのもおすすめです。

まとめ

1837年に高級馬具工房として創業以来、エルメスは最高級の素材と最高級の職人の技術を用いて「本当に良いもの」を提供してきました。

ものづくりへの半端ないこだわりはエルメスブランドの価値を揺るぎないものとしました

他ブランドと比較して高額であっても、その人気ぶりは加速する一方です。

エルメスの定番製品の中でもケリーは半世紀以上、デザインが変わらず愛され続けている普遍のアイテムです。

ケリーバッグを持って、ラグジュアリーなワンランク上の装いを実現してみては如何でしょうか。

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