シャネル永遠の定番で憧れの名品「マトラッセチェーンショルダーバッグ」の全て
女性の憧れの最愛ブランドといえばシャネルを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
中でもマトラッセのチェーンバッグは定番の大人気アイテムです。
ダイヤ模様のデザインを用いた全てをマトラッセと定義する為、バッグだけでなく他のアイテムもマトラッセと呼ばれるものが多々あります。
今回はマトラッセと定義されるシャネルのチェーンバッグの歴史・種類・サイズ・素材・価格をご紹介します。
シャネルの歴史
今や女性から絶大な人気を誇るシャネルですが、王道の地位を確立するまでの道のりは映画になるほど波乱に満ちていました。
シャネルのチェーンショルダーを語る上で重要な歴史を少しご紹介します。
シャネルの創業
シャネルは創業者ココ・シャネルが1910年パリ・カンボン通り21番地に「シャネル・モード」という名の帽子屋を開業したことが始まりです。
シンプルで実用的なデザインの帽子は評判が良く、瞬く間に「シャネル・モード」は人気店となりました。
初のオートクチュール店として
帽子の販売だけにとどまらず1916年には初のオートクチュールコレクションを発表しました。
ココ・シャネルは当時の女性のファッションの常識を覆す斬新で画期的なスタイルを次々に発表しました。
第一次世界大戦の最中の当時は女性が社会進出を果たした時期でもあり、シャネルの既成概念にとらわれない発想は広く受け入れられました。
コルセットからの解放を提唱
ココ・シャネルは「コルセットからの解放」を掲げ、次々に新しい斬新な商品を作り出します。
安価で軽量なジャージー素材の服や、女性の社会進出を背景に動きやすいツイード素材の「シャネルスーツ」、喪服の色とされていた黒を社交の場に取り入れた最高傑作「リトルブラックドレス」などを発表しました。
しかし、第二次世界大戦が勃発したことにより一部の事業を残して店舗の閉鎖を余儀なくされ、ココ・シャネルはパリから離れます。
戦後事業を再開したシャネル
戦争が終わりパリに戻ったココ・シャネルは1954年に事業を再開し、1955年に後に伝説となるチェーンバッグ「2.55」を発表しました。
そしてその才能で次々と名作を生み出しシャネルブランドの地位を確立しました。
ココ・シャネルの死後、メゾンは低迷期を迎えますが、1983年にカール・ラガーフェルドが全てのコレクションのアーティスティック・ディレクターに就任。
カールはシャネルらしい現代にマッチした形のモードを取り入れブランドの再構築に成功します。
今日のシャネル人気はカールによる功績といっても過言ではありません。
現代のシャネル
2019年、メゾンにとって偉大な功績を残したカール・ラガーフェルドがこの世を去ります。
跡をついだのは長年彼の右腕として活躍してきたヴィルジニー・ヴィアールです。彼女は歴代のデザイナーにオマージュを捧げ、ヴィルジニーらしい若々しい新鮮さを取り入れたコレクションを発表しました。
チェーンバッグ誕生の歴史
ココ・シャネルは使いやすさを重視した革新的で実用的なアイテムを次々にうみだしました。
なかでもチェーンバッグは現代に至るまで支持され続けています。
ショルダーバッグの誕生
女性のバッグは手で持つハンドバッグかクラッチバッグが主流だった1920年代、ココ・シャネルはバッグを持つことで両手がふさがれることを煩わしく思っていました。
そこで考案したのは、バッグ本体に革紐を取り付けて肩から掛けて持つショルダーバッグです。
1929年に発表されたこのショルダーバッグは、当時の常識を覆すものでしたが、女性の社会進出を背景に実用的なこのバッグは受け入れられ広まりました
チェーンバッグの誕生
終戦後パリに戻ったシャネルはショルダーバッグを再解釈し、デザインし直しました。
耐久性に着目し、ショルダーストラップにチェーンを用いて、7つのポケットを実装した実用的なバッグ「2.55」を発表します。
「2.55」は1955年2月に発表された為このように名付けられました。
デザイン性、実用性、耐久性に優れたこのバッグは後のマトラッセチェーンバッグの原点となり、発売から65年経った今でも人気は衰えず「伝説のバッグ」とまで言われるようになりました。
チェーンショルダーバッグ「マトラッセ」の種類
「マトラッセ」とは日本語で「ふくれ織り」のことを指します。
「マトラッセ」はバッグの名称ではなく格子状のダイヤ柄の事を指し、ダイヤ柄が使用されているバッグを総称して「マトラッセ」と呼びます。
中でも定番中の定番、チェーンバッグをご紹介します。
11.22クラシックバッグ
「11.22」クラシックバッグは、カール・ラガーフェルドが「2.55」を再解釈してデザインし直し、1983年に発表されました。現在においてももっとも定番とされるモデルです。
シャネルロゴ(CCマーク)がクラスプに施されていて、一目でシャネルとわかるデザインが時代のニーズにマッチし、発売するなり絶大な人気を誇るようになりました。
新たなシャネルのアイコンバッグとして以来多くの女性の憧れのバッグとして愛され続けています。
「11.22」のショルダーチェーンは革紐が編まれていることも特徴的です。
2.55
1955年に発表されて以来、現在も変わらぬ人気を誇る「2.55」ですが、一度廃盤になっています。
2005年に「2.55」誕生50周年を記念して復刻して以来、根強い人気を誇り、シャネルの「アイコンバッグ」として不動のものとなりました。
「2.55」は、四角くて直線的なクラスプ「マドモアゼルターンロック」が特徴的でこれを見ればすぐに他のシャネルバッグとの区別が付きます。
また、ストラップはモダンな耐久性に優れたフラットなチェーンが使用されており、ヴィンテージ加工されたエイジドカーフスキンも「2.55」に多用されている素材で特徴的です。
BOY CHANEL(ボーイシャネル)
ココ・シャネルの生涯最愛の恋人ボーイ・カペルにちなんで名付けられた「ボーイシャネル」は2011年にカール・ラガーフェルドによって発表されました。
従来のシャネルバッグが持つエレガントでフェミニンなイメージを一新するような、直線的なフォルムが特徴的なクールでマニッシュなバッグです。
それもそのはず、「ボーイシャネル」は弾丸保管用のバッグからインスピレーションを受けてデザインされています。
CHANEL 19(シャネル ディズヌフ)
最新作、「CHANEL 19(シャネル ディズヌフ)」はカール・ラガーフェルドが現アーティスティック・ディレクターのヴィルジニー・ヴィアールとともに手掛けた2019年−2020年秋冬プレタポルテコレクションで発表されました。
発売年月を名付けた「2.55」にオマージュを捧げて「19(ディズヌフ)」と名付けられました。
ダイヤ柄の大きなキルティングが施され、クラスプ部分にCCロゴ、太めのチェーンが特徴的です。シャネルらしいエレガンスと新しさが凝縮されたデザインで人気を集めています。
「19(ディズヌフ)」は独特のヴィンテージ感があり、逆に新鮮さを感じさせます。
マトラッセチェーンショルダーのサイズ
マトラッセのチェーンショルダーバッグのサイズはシーズンごとに若干変わるのであくまで目安ですが、基本的には20㎝、23㎝、25㎝、30㎝、34㎝の5種類のサイズ展開です。
マトラッセ20(ミニマトラッセ)
W20㎝×H12㎝×D7㎝
スマートフォンやコンパクトウォレットを収納できるサイズ。小ぶりな可愛らしい見た目で、小柄な女性に大人気です。
ちょっとしたパーティバッグなどにも適したサイズです。
マトラッセ23
小さめの長財布が収納できます。やや小ぶりですが貴重品を収納するには十分のサイズです。
非常に人気の高いサイズの一つとなります。
マトラッセ25
マトラッセの中でも最も人気のあるサイズ。長財布がすっぽり入ります。
一番定番のサイズと言われるとこのサイズが古くから人気で定番とされています。
マトラッセ30
スマートフォンと長財布だけでなく、ポーチや手帳も収納できるサイズです。
定番サイズよりやや大型なため“中マト”と呼ばれることもあります。
マトラッセ34
A4の書類が収納できるのでビジネスシーンにもちょっとした遠出にも持って行ける大容量入るサイズです。
“デカマト”と呼ばれるこのサイズはヴィンテージ品に多く、希少性が高く人気です。
マトラッセチェーンショルダーの素材
マトラッセチェーンショルダーバッグは用いられる素材によって受ける印象も大きく異なります。
ラムスキンやキャビアスキンといったシャネルの象徴ともいえる定番のものから、珍しい素材までバリエーションも豊富です。
ラムスキン
ラムスキンはマトラッセが発売された当初から用いられている定番の革です。
生後1年以内の子牛の革で、光沢があり美しく、滑らかできめ細かく、肌に吸い付くような肌ざわりが特徴的です。
大変デリケートな素材で、傷がつきやすく、水に弱いので取り扱いには注意が必要です。
キャビアスキン
牛革の表面にキャビアのような凹凸の型押しが施されたザラザラとした肌ざわりの素材をキャビアスキンといいます。
キャビアスキンは、肌触りが堅く、丈夫で傷がつきにくく、キルティングの膨らみも比較的持続しやすいと言われています。
耐久性に優れている為、最も人気のある素材です。
カーフスキン
牛側のなかでも上質な生後6か月以内の子牛の革。
成牛に比べると非常に滑らかで肌ざわりが良いですが、傷つきやすいです。
ツイード素材
シャネルスーツに用いられるツイード素材は限定品で発売されます。
その為非常に人気が高く、毎シーズン争奪戦が繰り広げられます。
キャンバス素材
コレクションアイテムで多用される素材で、革素材のバッグに比べて軽量で、価格も安いことで非常に人気が高いです。
丈夫な素材でカラーバリエーションも豊富。カジュアルな装いに合わせるのにぴったりの素材です。
エキゾチックレザー(クロコダイル)
ワニ革(クロコダイル)を用いた素材です。
ワニはワシントン条約で保護されている絶滅の恐れのある動物で、養殖しか輸入できない為、生産数が極めて少なく大変希少です。
そのため、価格も高額ですが、独特の美しさに魅了されます。
シャネルは2018年にエキゾチックレザーの使用の中止を発表した為、現在は生産されていません。
マトラッセチェーンショルダーバッグの価値
シャネル製品は年々、販売価格が上昇し続けています。
それに伴い、バッグ自体の価値も高騰しているとされています。
マトラッセの価格推移
数あるシャネルバッグの中でも特に人気の高いマトラッセのチェーンバッグの価格推移を例にとってみます。
- 1980年:およそ150,000円
- 2020年:およそ700,000円
- 2023年:およそ1,500,000円
40年で10倍近く販売価格が上昇しています。
1990年までは物価の上昇が価格高騰の原因でしたが、2010年、2016年には倍に近い価格の改定が行われました。
2020年5月、新型コロナウィルス感染拡大の防止から世界中のブティックが閉鎖される最中にも、シャネルのアイコニックなアイテムに限定して5%~17%の大幅な価格改定が行われました。
シャネルに限らず、ハイブランドの製品は今後も材料費の高騰や為替の変動により、価格が上昇すると言われています。
それ故にシャネルバッグは、投資する価値のあるファッションアイテムであることに間違いありません。
ヴィンテージシャネルの人気
海外の有名人やファッショニスタが80年代に発売されたシャネルのチェーンバッグを持ち始めた事で、人気に火が付きました。
現行モデルのマトラッセとの違いは、真鍮金具が現行品に比べるとイエローゴールド色が強く、革質に膨らみがなく平らな点です。
人と被る事があまりない一点物なので、個性的なお洒落を楽しめること、中古品になるので安価で手に入る事が人気の理由です。
80年代には定価が15万円程度だったマトラッセのチェーンバッグはヴィンテージシャネル人気の影響で、今では定価を上回る価格で取引されることもあります。
マトラッセチェーンショルダーの買取相場の高騰
マトラッセのチェーンショルダーバッグは、定価が値上がりしていることと、ヴィンテージシャネル人気の影響で中古市場での買取価格が高騰しています。
中古市場においては人気のラムスキン25㎝で状態の良い中古品で60万円ほどの高値で取引されています。
年代が古く、状態の悪い中古品でも10万円以上の値段がつきます。
ヴィンテージシャネル人気に伴い、マトラッセのチェーンバッグは若い世代からも支持されるようになり、数年前に比べると二倍以上に買取価格は高騰しています。
マトラッセのチェーンバッグはこんな場面におすすめ
ここぞという勝負の日に持ちたいマトラッセのチェーンバッグですが、どんな場面で持つのが相応しいのでしょうか。
フォーマルな場面に
エレガントなマトラッセのチェーンバッグは改まった場面に最適です。フォーマルなスーツにもとても良く合います。
フォーマルな場面にはエレガントな黒、貴重品が全て収まる25㎝のマトラッセを選ぶと良いです。
パーティーシーンに
マトラッセのチェーンバッグはイブニングドレスやカクテルドレスに合わせるにも最適です。
肩から下げられるのでパーティーシーンで両手が開くので非常に便利です。
パーティーシーンには23㎝・20㎝の小ぶりなサイズのマトラッセがおすすめです。
アクティブに過ごす場面に
マトラッセのチェーンバッグはカジュアルな装いにも合います。普段のデニムスタイルにマトラッセをプラスするだけでぐっと女性らしさが増します。
肩から下げる為、アクティブに過ごす一日にも最適です。
まとめ
シャネルのチェーンバッグはどんな場面や装いにも合い、クラッシックでエレガントなワンランク上の装いが完成します。
上質な質感と普遍的なデザインで長年に渡り愛用しても全く古さを感じさせないのはさすがです。
現代の活動的な女性のステイタスバッグとして不動の人気を誇るマトラッセのチェーンバッグ、ひとつは持っておきたいですね。
また、非常に資産価値の高いブランドバッグの一つでもありますので、ご売却の相談に関してもお気軽にご相談ください。
相場の情報なども丁寧にご説明させていただければと思います。
この記事を監修した人
代表取締役
小林嶺