エルメスのバーキンはなぜ人気?バーキンの魅力や資産価値など気になることを徹底解説
エルメスは世界中の人々に愛され続けている絶大な人気を誇る高級ブランドです。その中でもっとも人気がある普遍の希少アイテムが「バーキン」です。
憧れのバーキンはなぜこんなにも世界中の女性を魅了し続けているのか?ここでは、バーキンの歴史や仕様を紐解き、その魅力についてご紹介します。
エルメスのバーキンの魅力
何故そこまでバーキンが絶大な人気を誇るのでしょうか。
それを知るために、バーキンの歴史や現在の製作工程について少しご紹介します。
バーキンの誕生秘話
バーキンが誕生したのは1984年。
当時のエルメス社の社長ジャン・ルイ・デュマがイギリスの女優ジェーン・バーキンに飛行機の機内で偶然隣り合わせたことから始まります。
彼女はボロボロの大きな鞄に沢山の物を詰め込んでいて、床に物を落としてしまいます。その様子を見てデュマ氏が「整理せず何でも詰め込めるようなバッグをプレゼントさせて欲しい」と提案したことから、ジェーン・バーキンの為の理想のバッグを製作しました。
ジェーン・バーキンの為に作られたこのバッグは彼女のファーストネームから「Birkin(バーキン)」と名付けられ、現在に至りエルメスのフラッグシップモデルとして愛されています。
バーキンの元となったオータクロア
バーキンには元となったモデルが存在します。それは現在でもエルメスで製造されている「Haut a courroies(オータクロア)」。
バーキンとほぼ同じ見た目をしているこのモデルは、馬具工房だったエルメスが1982年に初めて製作したバッグです。
オータクロアは当時馬の鞍入れとして作られたモデルで、バーキンと比較すると縦に長さがあり重いのが特徴です。
今でこそエルメスのバッグの一つとして多くのファンに認知されているオータクロアですが、ファッションアイテムとしてではなく馬具用品の延長で作られました。
このオータクロアのデザインを継承しつつも“女性が普段使いできるファッションバッグ”として改良されたのがバーキンなのです。
クラフツマンシップ
もともとは馬具工房としてスタートしたエルメスは、現在バッグや革小物といった品物を中心に様々なファッションアイテムを展開しています。
エルメスは創業当初から自社一貫生産にて製造・販売されていて、生粋の熟練職人の手作業によって製品が作られ続けています。
バーキンだけでない革製品全てに一つ一つシリアルナンバーが刻印され、全てパリの工房から生み出されています。
当たり前のことのように思えますが、多くのハイブランドが世界各国に生産工場を置き、大量生産できる体制を作り上げている中、エルメスは創業時から一貫した製品作りに一切妥協がない数少ないメーカーと言えます。
最高の素材へのこだわり
エルメスの革製品は最高品質の革を使用していることは言うまでもありません。
エルメスの革は、皮から革へ加工する卸売業者(タンナー)から仕入れていて、最高品質の革を製造するフランスの老舗タンナー「タナリー・デュ・プイ社」とそこから独立した「アネノイ社」の最上位の品質の仕上がりの革のほんのわずか数%を仕入れたものが使用されます。
そういった最高品質の革素材だけを用いてバーキンは作られているため、丈夫で長持ちするという品質も兼ね備えているのです。
生産数が限られている
バーキンを製作する職人はエルメスの中でも限られた一部です。そうした熟練の職人でも一つのバーキンを仕上げるのに20時間を要するとされ、大量生産することができません。
選び抜いた最高品質の革を用いて、熟練の職人が手作業で仕上げまで全て一人で行うという工程を経て作られるため、より希少価値の高いバッグとしての地位を確立しています。
エルメスのバーキンの仕様やデザインについて
バーキンは発売以来外観デザインは何一つ仕様変更されていません。30年以上の間、時代に流されない普遍的なデザインとしてバーキンは多くのセレブに愛され続けているのです。
エレガントな外観のバーキンですが、その使い勝手の良さからフォーマルな装いだけでなく日常使いにも大活躍します。
バーキンの仕様構造
バーキンはその美しい見た目とは裏腹に、非常に丈夫で頑丈なつくりで機能性が高いことが特徴です。
バッグの中身が見えないようフラップが付いており、フラップを外すとエルメスの刻印があります。
また、フラップを開閉出来るベルトのような留め具をクロアといい、クロアを締めて付属のカデナ(南京錠)でロックすることもできます。
※一般的にはクロアを締めずに、フラップを折込んで使用される方が多いです
金具のデザイン
バーキンの金具はクロアの先端、中央に回転式のカデナを付ける箇所に配置されています。クロアを重ねてロックする仕様はバーキンだけでなく、エルメスの様々な製品に用いられています。
底には円錐台の4つの鋲がついており、バッグを置いた際に底革が傷つかないようになっています。
シンプルかつ美しい金具デザインが高品質な革素材を引き立たせ、エレガントなフォルムを作り上げています。
めいいっぱい使える容量
バーキンは中の仕切りが無く、たくさんの荷物を詰め込むことができます。
それ以外にもボディの手前と内側に小型の書類などが収まるオープンポケット、背面内側にファスナーポケットがありペンや小物が収納出来るようになっています。
また一般的にレザーバッグはバッグ内側が、革の裏面(ベロア素材)となっている仕様が多いですが、バーキンは表面と裏面で二重に革素材が使われており、バッグ内側の質感にも妥協がありません。
しかし革自体の厚さが抑えられているため、めいいっぱいのバッグ容量が実現されています。
バーキンのサイズ展開
バーキンのスタンダードなサイズ展開は四種類です。
- バーキン25(幅25cm)
- バーキン30(幅30cm)
- バーキン35(幅35cm)
- バーキン40(幅40cm)
女性が普段使いするのであればバーキン25、バーキン30、バーキン35、バーキン40以上は主に男性需要が高いサイズとなります。
バーキン25
スタンダードなサイズ展開の中で、もっとも小型のバーキンが幅25cmのタイプです。
奥行が13㎝あるので、長財布・スマホ・コスメポーチなどの必需品も問題なく収納できます。
容量がある程度欲しいという方には不向きですが、小さめのフォルムで非常に人気が高いサイズとなっています。
バーキン30
幅30cmのタイプがもっとも定番のバーキンとされるサイズです。日本人の体型にも合う大きさであることからジャパンサイズとも呼ばれています。
普段使いにはサイズがちょうどよく、一番多く生産され市場に流通しているモデルがバーキン30です。
バーキン35
一番最初に製作されたバーキンのサイズが幅35cmのモデルです。
近年小さめのバッグが主流となっていることから、他サイズのバーキンよりも人気が劣るとされていますが、ある程度収納のあるバッグが良いという方には愛され続けています。
たくさん収納できることから、ビジネスシーンなどにも最適です。
バーキン40
バーキン40はスタンダードなサイズ展開の中では、もっとも生産数が少ないモデルです。
近年では男性需要が高く、女性が普段使いするにはかなり大きめとなっています。
書類やダブレットも余裕で収納できる為、ビジネスシーンでも当然活躍しますし、一泊二日程度の小旅行ならバーキン40で事足りてしまうほどの大きさが特徴です
バーキンに用いられる素材
エルメスで扱われている革の素材は100種類近く、バーキンに用いられる素材だけでも10種以上存在します。
中でも現行品としても用いられる定番素材をご紹介します。
トゴ
一般的に「トゴ」と呼ばれるこの素材の正式名称は「ヴォー・クリスペ・トゴ」です。
エルメスの扱う牛革素材の中でも最も人気が高い素材で、バッグをはじめ財布や小物など幅広く使用されています。
革のシボはやや深めでキメが細かく、表面に繊細なシワ(血筋)が見られるのが特徴です。
傷つきにくく、型崩れしにくいことから人気の高い素材で、ファーストバーキンに選ばれることも多いです。
トリヨンクレマンス
雄の成牛の革を使用した素材で大きめのシボが特徴です。
見た目はトゴと大きく変わりませんが、トゴよりも少し柔らかい質感となっています。
トゴに見られるような血筋はありませんが、やや重たい印象の素材です。
ヴォー・エプソン
雄の成牛の革に細かい型押しの加工を施した素材で、質感は固く、張りがあり型崩れしにくい特徴があります。
軽量で扱いやすく、型押し加工されている分、水にも強く耐久性にも優れています。
ヴォースイフト
雄の子牛の革で、特殊な工程でなめし加工が施されています。見た目の印象は非常にキメが細かく、スムースで柔らかい質感が特徴です。
トゴやトリヨン、エプソンに比べると傷がつきやすく目立つため、やや人気は劣りますが、鮮やかな発色が魅力的な素材となっています。
エキゾチックレザー
エルメスで使用されているエキゾチックレザーはさらに以下の種類が挙げられます。
- クロコダイル
- オーストリッチ
- リザード
通常のレザー素材とは異なり、全てが希少素材となっているため、そもそもエキゾチックレザーで作られたバーキンは数が少なく高価です。
年々規制が厳しくなっている傾向にありますが、エルメスでは自社でワニを生産し最高品質の素材で作られたバーキンは世界中のセレブが手にしたい一品となります。
珍しいバーキンの種類
バーキンは通常モデル以外にも、珍しいバーキンがいくつか存在します。
そういった例をご紹介します。
ショルダーバーキン
幅42㎝×高さ22㎝×奥行18㎝
2005年に発売された横長のバーキン。
当時のデザイナー、ジャン・ポール・ゴルチェによって生み出された、カジュアルにも使える実用的なデザインが特徴のバーキンです
持ち手が50㎝と長く肩から掛けることが可能です。横長のボディはカジュアルなスタイルにとても良く合います。
発売から数年後に人気は下火となりましたが、15年経った現在、人気が再燃しています。
タイニーバーキン
2011年に発売された幅が15㎝の小ぶりで可愛らしいサイズのバーキンです。
斜めがけ出来る様にショルダーストラップが付属でついています。
絶大な人気を誇ったタイニーバーキンですが現在は廃盤となっている為、中古市場では高額で取引されています。
バーキンセリエ
エルメスの定番モデルである「ケリー」には古くから、内縫いと外縫いの二種類が展開されていましたが、バーキンはこれまで内縫いのみで展開されていました。
バーキンセリエでは革を外側から縫い合わせている為、ボディ表面にステッチが見えるようにデザインされています。
定番の内縫いのバーキンと比較すると、外観は張りがありフォーマルな印象に仕上げられています。
バーキンの購入方法や定価について
バーキンを実際に購入するにあたって、
エルメスで購入するにはどうすればいいのか?
現在の定価はいくら?
入手難易度が高いというのはどのくらい?
という点について解説していきます。
バーキンは限られた顧客にしか売らない
現在バーキンは限られた顧客にのみしか販売しないというほど、一般的な購入難易度が上がっています。
店頭に並んでいたからラッキーということも近年はないとされています。
長年エルメスで購入実績がある顧客や、一度に数百万円以上の買い物を年に何回もするVIP顧客には優先的に案内されますが、それ以外の一見さんで購入するのはほぼ不可能です。
数年前までは一部海外のエルメスブティックでは購入しやすいなどとも噂されていましたが、近年では国内、国外問わずどこのエルメスでも顧客でない限りは難しい状況となっています。
バーキンを購入するためにできること
バーキンを購入するために少しでもできることをまとめています。
あくまで確実な方法ではありませんので、噂話程度に聞き流していただいて構いません。
エルメス銀座店が国内でもっとも在庫数が豊富
数あるエルメスブティックの中でもエルメス銀座店はもっとも在庫数が豊富です。そのためバーキンの在庫数がもっとも多いのも銀座店と言われています
エルメスの購入実績がさほど多くないのであれば、銀座店に足繁く通い顔を覚えてもらうことから始めると良いと思います。
また、新しくできた店舗(エルメス表参道店など)のオープン初日などであれば、バーキンをはじめとする希少なモデルも豊富に揃えられているとされています。
そうしたタイミングを狙ってみるのもありです。
百貨店の外商を利用する
普段から利用する百貨店があれば、百貨店の外商カードを入手し外商経由でお願いするのも一般ルートよりは確率が高いです。
そのために、まずは同じ百貨店である程度の購入実績を積むことが前提となります。
ですがこの方法も以前より入手しづらくなっており、百貨店や店舗ごとのエルメスとの関係性も重要となってきてしまいます。また担当してくれる外商担当個人の力も影響するため、外商がついたからといって購入できるという訳ではありません。
ですが、バーキンが欲しいというリクエストや相談はエルメスのブティックよりも手軽にできるため、こういう方にはご案内できますなどと具体的なアドバイスも外商経由で聞けるかもしれません。
バーキン以外の製品を積極的に購入する
バーキンを案内してもらうためには、購入実績が重要とご紹介しましたが、購入している商品ジャンルも重要だと言われています。
簡単にいうと“エルメスの中でもあまり人気のない商品を積極的に購入する”ということです。
近年囁かれているのは「アパレル類」「腕時計」「ジュエリー」などをたくさん購入するとバーキンを案内してもらえるということです。
誰もが欲しがるバッグや財布などの定番アイテムだけでなく、幅広いジャンルの商品を購入することがエルメスに認めてもらえる近道だと言われています。
ただしいずれの方法も最終的には運の要素が関わってくるため、バーキンを確実に定価で購入できる方法はありません。
現在のバーキンの定価
バーキンの定価は以下となっています。
サイズ | 国内定価(税込) |
---|---|
バーキン25(トゴ) | 1,738,000円 |
バーキン30(トゴ) | 1,903,000円 |
バーキン35(トゴ) | 2,068,000円 |
ですが実際に専門店などですぐに購入しようとすると、新品であれば300万円以上の金額を付けられている場合がほとんどです。
定価に対して市場価格がこれだけ高騰してしまっている現状によって、正規店で定価で購入する難易度は年々上がっているのです。
バーキンの資産価値について
バーキンは定価100万円を超える高級品ですが、優れた資産価値を持つことも知られています。
品質が高いことはもちろんですが、それ以外の流通状況というのが優れたリセールバリューを生み出しています。
希少性の高く入手しづらい
上記項目でも解説しましたが、バーキンは非常に入手しづらいバッグです。
特に近年ではどんどん入手しづらくなっているとも言われていて、それはSNSなどによって認知が広がり需要が高まっているのに対して、製造数がそこまで増えていないからだと考えています。
欲しい人が後を絶えない状況が続き、中古市場での金額が高騰し、結果プレミア価格となっていくというサイクルが数十年以上続いています。
高い買取率
バーキンは他のブランドバッグに比べても、中古品であっても驚くほど高値がつきます。
また、使用感がある中古品に関しても買取価格は定価の約30%~50%と高く、人気の色や素材によっては中古品でも定価以上で売却できる場合があります。
一般的にバッグなどのファッションアイテムはトレンドによって、時間が経てば経つほど価値が減少していくものです。
しかしバーキンは形が変わっていないこと、年々需要が高まっている中、生産数がそれほど変わってないことなどから、価値が落ちにくいアイテムなのです。
ファーストクラスでは多数バーキンの買取事例を公開していますので、古いバーキンがいくらくらいで売却できるのかなども踏まえてチェックしてみてください。
まとめ
エルメスのバーキンは世界中の女性の憧れであり、誕生より40年を迎えますが人気が衰える気配はありません。
その希少性の高さ、最高品質、クラフツマンシップ、ブランドへの信頼がバーキンの人気を加熱させています。
これほどまでに世界中の女性が所有したい欲に駆られるバッグは他にはないのではないでしょうか。
バーキンの価格は年々上昇傾向にあります。いつかはとは言わず、ご縁があれば購入を検討することを強くおすすめします。
この記事を監修した人
代表取締役
小林嶺