エルメスの革製品で使用される素材一覧!現行素材から廃盤素材まで一挙解説

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エルメスのバッグや財布など、レザー製品に使用される素材の種類についてまとめています。

特徴だけでなく、素材の人気などについても触れていますので、気になる方は是非チェックしてみてください。

素材は買取価格にも影響する重要な要素の一つです。

エルメスの革製品を購入する際には知っておいて損はありません。

FIRSTCLASS-ファーストクラス-のエルメス買取

エルメスの革製品に使用される素材の種類と特徴

エルメスで使用される革素材は種類が非常に豊富です。

廃盤となった限定品や希少なものまで含めると、数え切れないほどの数が存在します。

ここでは現行の革素材だけでなく、中古品で比較的多く流通している素材を一覧でまとめているため、参考にしてみてください。

オーソドックスな牛革素材

「通常の革素材」というと、ほとんどが牛革素材となります。

その中でも大きく分けると素材をそのまま活かした天然素材と、加工を施した素材があります。

トゴ

現行素材
硬さ☆☆★★★
目の粗さ☆☆☆☆★
人気☆☆☆☆☆
主な使用モデル革製品全般

2000年を以前に登場し、今もなお現行でもっとも使用されている素材です。目が大きめで、かつやや柔らかめ。型押し等が施されていない自然なレザーというのが特徴です。カジュアルにもフォーマルにも対応できる使い勝手の良い素材だと言われています。バーキンやケリーを含め、ほぼ全てのモデルで展開されていて、もっとも人気があるレザー。

エプソン

現行素材
硬さ☆☆★★★
目の粗さ☆☆☆☆★
人気☆☆☆☆☆
主な使用モデル革製品全般

細かな型押しが施され、非常に目が細かく硬めの素材です。光沢もあり、かっちりとした印象を受けるため、より上品さを求めたい方に選ばれています。2000年以降に登場以来、トゴと並び多数商品で展開されていて、同じくらい人気あります。エプソン素材で作られた外縫いのケリーなどは、特別ファンが多い一品。

トリヨンクレマンス

現行素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

天然素材であり、一見するとトゴとかなり似ています。こちらはより目が大きく、柔らかい特徴があり、どっしりとした重量感があります。重い分、他の素材と比較すると型崩れなどがやや起きやすく、その点だけ改善が望まれています。トリヨンノビーヨやトリヨンモーリスなど、トリヨンクレマンスから派生した素材も近年増えてきています。

スイフト

現行素材
硬さ⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

目がかなり細かく、スムースレザーといった独特な質感が特徴。鮮やかな色などにも多く用いられます。その質感から、やや傷が付きやすく(目立ちやすい)ため、現行の素材の中では人気は低め。

ボックスカーフ

現行素材
硬さ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

その名の通りいわゆるカーフレザーと呼ばれる光沢がありツルッとした質感が特徴。エルメスを黎明期から支える人気素材で、数はかなり減りましたが現行でもごく稀に製作されています。非常に爪傷が付きやすいという特徴があるものの、これじゃなきゃ。と言われる理由も多い、気品の高いレザーです。

ヴォーマダム

現行素材
硬さ⭐️⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️
主な使用モデルバーキンセリエ、革小物など

エプソンと非常に似ている新しめの素材です。主にバーキンセリエ(外縫い)やコインケースなどに使用されている、硬めのかっちりとしたフォルムが特徴です。

ネゴンダ

現行素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️
主な使用モデルガーデンパーティ

主にガーデンパーティのレザーモデルで使われています。(※ガーデンパーティはトワルアッシュモデルも一般的)非常に柔らかく、カジュアルな印象を受ける素材です。

エバーカーフ

現行素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

名前の通りカーフレザーでありながら、柔らかめの質感が特徴です。現在でも製造は続いているものの数は少なめです。

エバーカラー

現行素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

目は比較的粗いものの、型押しではないため、自然な質感が特徴です。ツールボックスやルリなど近年主流になりつつあるバッグにも多く使われています。

廃盤になった牛革素材

現在廃盤になっている素材です。そのためやや年代が古いものも多いです。

ただ近年「ボックスカーフ」も復刻されたりという例もあるため、この中から現行で復刻する素材も出てくるかもしれません。

アルデンヌ

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

トゴと似た特性を持ち、トゴが登場するまでは、多くの革製品に用いられていました。見た目も似ていますが、こちらは型押し加工が施されているため光沢感があり、やや硬いという特徴があります。廃盤素材ながら、中古市場でも比較的多く流通していますが、あえてアルデンヌを選ぶという方は少ないように感じます。

クシュベル

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

エプソンと似た特性を持ち、アルデンヌと同じように、エプソン登場までは主要素材の一つでした。比較するとやや光沢感が強いように感じますが、中古のエプソンとは非常に判別が難しいです。かなり古いモデルにおいて使用されていた素材のため、素材自体の人気は低い。

フィヨルド

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

柔らかめの質感と目の粗い天然素材で、現代にも通じるものがあります。こちらも廃盤となっているため、あまり見かける機会は少ないです。

バッシュ

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

ヌメ革素材をそのまま活かした素材で、硬めの質感と目がないレザーが特徴です。爪傷も付きやすく、雨じみなどにも弱く、極めて繊細な素材と言えます。完全な天然素材のため、当時もブラックとナチュラルのカラーのみ展開されていました。

バッシュリエージュ

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

光沢がある自然な型押し素材です。アルデンヌと非常に似ていますが、こちらの方がやや硬めな質感です。

バッシュトレッキング

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

天然素材のような自然な風合いが特徴ですが、型押し素材です。少し目の細かいアルデンヌというのが近いです。

ヴォーガリバー

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

しっとりとした質感のスムースレザーで自然な素材感が特徴です。現在のヴォースイフトの元となっている素材。

ヴォーバレニア

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

マットでカーフレザーのような質感が特徴で、傷などがつきやすい繊細な素材です。少し柔らかさがあるため、カーフレザーのかっちりとした印象よりはカジュアルです。

バレニアフォーブル

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

バレニアよりも目がくっきりとしていて粗いのが特徴です。自然な革素材を使用しているため、凹凸がくっきりしています。

ヴォーシャモニー

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️⭐️⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

ヌメ革のようなしっとりした質感が特徴で、日が経つに連れて光沢感が出てきます。フランス東部の名峰モンブランの麓にあるリゾート地「シャモニー」で育った雄子牛のレザーを使用していることが名前の由来です。

カントリー

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️
主な使用モデルガーデンパーティ

ガーデンパーティにいっとき使用されていた素材で、他の展開はありません。目がある型押しレザーという特徴がありますが、同じくガーデンパーティで使用されているネゴンダと見分けるのはかなり難しいです。

珍しい革を使用した素材

ヴォートロイカ(ハラコレザー)

廃盤素材
硬さ⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️⭐️
主な使用モデルバッグ・小物

ハラコレザーと呼ばれる表面に毛並みがある希少な素材です。表面の毛並みが剥げてしまうとメンテナンスが非常に難しいため、状態の良いヴォートロイカを使用した革製品は今では非常に希少になっています。

ヴォーベロア(ドブリス)

廃盤素材
硬さ⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデルバッグ・小物

スエードを使用した素材がヴォーベロアです。この素材を使用したモデルは「ドブリス」といった名称でも知られています。もともと製造が少なく、非常に希少価値が高いです。

シェーブル

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

山羊革を使用したシェーブルは、柔らかめでありながら目のきめ細かさもあり、牛革とは異なる独特の質感が特徴です。ほぼ加工がされていない自然な質感がそのまま使われています。

ヴィブラート

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

山羊革を染めたものを、重ねて合わせたかなり独特な素材です。廃盤ではあるものの、見た目の独特さと希少性から、価値の高い一品といえます。

ブッフル

廃盤素材
硬さ⭐️⭐️
目の粗さ⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

水牛の革を使用しているのがブッフルです。通常の牛革素材よりも柔らかくクシャッっとした質感が特徴です。

ワンランク上の高級素材

ポロサス シャイン(リセ)

現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

クロコダイル素材の中でもっとも小型な体長1メートル程の小さなワニの毛皮です。鱗がもっとも小型で、ワニの毛皮の中でも最高級品とされています。光沢のあるリセ加工が施されています。

ポロサス マット

現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

ポロサスに艶消しのマット加工が施されています。

ニロティカス シャイン

現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

ナイルワニと呼ばれるアフリカ大陸に生息する大型のワニの毛皮です。体が大きい分、鱗も大きめの仕様となっています。光沢のあるリセ加工が施されています。

ニロティカスマット

現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

ニロティカスに艶消しのマット加工が施されています。

アリゲーターシャイン

現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

アメリカンアリゲーター(別名:ミシシッピワニ)の毛皮で、クロコダイル素材の中でももっとも鱗が大きいです。現代では比較的小ぶりな鱗が人気なため、三種のクロコ素材の中では人気は低めです。

アリゲーターマット

現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

アリゲーターに艶消しのマット加工が施されています。

ヒマラヤ(ニロティカスマット)



現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデルバーキン・ケリーなど

ニロティカスの中でも、希少な白いワニを使用した素材がヒマラヤです。通常クロコ素材は様々な色に染められ革製品に使用されますが、ヒマラヤは素材そのものを加工せずに使用しています。エルメスの中でも極めて希少価値が高く、高価な素材です。


現行素材
価格帯⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

東南アジア原産のトカゲを使用した革です。細かく独特な肌触りがある質感に、リセ加工が施されているため強い光沢があるのが特徴です。色焼けなどを起こしやすくかなり繊細な素材です。

オンブレ(リザードナチュラ)

現行素材
価格帯⭐️⭐️
人気⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
主な使用モデルバーキン・ケリーなど

リザードの“ヒマラヤ”とも呼ばれる希少素材です。リザードナチュラは自然な質感を活かすため、ほとんど加工せずそのまま使用しています。非常に数が少なく価値の高い素材の一つです。

オーストリッチ

現行素材
価格帯⭐️⭐️⭐️
人気⭐️⭐️
主な使用モデル革製品全般

ダチョウの革で、小さな水玉模様のような柄が特徴的です。以前は革製品全般で展開されていましたが、近年かなりラインナップが減りつつある素材です。

素材による人気の差について

上の項目でもアバウトに評価しましたが、素材によって人気はかなり異なります。

特に中古品として売り買いする際には、同じバッグで同じ色であっても、素材によって金額が変わることもあります。

具体的にどんな素材が人気の傾向なのか?という点をまとめみました。

近年は傷がつきにくい素材が人気

まず一番の傾向としては「傷が付きにくい・目立ちにくい素材」というのが中古市場では重視されます。

エルメスは上質な革素材で有名です。どれも良い素材には間違いありません。

やはりせっかく高額な品ですので、できるだけ長く綺麗に使いたいと思う方がほとんどです。

その分中古市場となると、傷が付きにくい素材が人気となります。

傷がつきにくい素材とは

傷がつきにくい素材の条件としては、

  • 目が粗いこと
  • 比較的柔らかいこと

この二点が重要です。目が細かく硬い素材に関しては、衝撃で傷つきやすいです。

ただ柔らかい素材は擦れには弱いという特徴もあります。

総合してみると現行品では「トゴ」がもっとも傷が付きにくく、傷も目立ちにくいとされています。

同じく人気の高い「エプソン」は傷が付きにくいですが、傷付いてしまうと目立ちやすい傾向があるため、少し繊細な部分があります。

古い素材は時代遅れなのか?

エルメスは時代と共に素材が移り変わっています。

同じような素材の展開を見ても、アルデンヌが改良されてトゴに、クシュベルが改良されてエプソンに変わったりしています。

では前の素材はどうか?ということになると、やはりあえて古い素材を選ぶという方はかなり少ないです。

ヴィンテージ品として評価されるものは、基本的には保存状態が極めて良好だからです。

これは素材の人気ではなく、あくまで希少価値であり、なおかつ現行の新品製品より評価される、人気が高いということはありません。

まとめ

エルメスはバッグや財布などモデルも豊富ですが、それ以上に素材のバリエーションが多いです。

素材によって定価が大きく変わるというのは、エキゾチックレザーなどを除くと少ないですが、中古市場においては素材の人気によって同じモデルの製品でも相場が大きく変わる傾向にあります。

また、現行品では廃盤となってしまっている珍しい素材もあり、そういった素材を用いたバッグなどはプレミア価格になっていることもあります。

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