買取相場が高騰しているケリー

「HERMES(エルメス)」の数あるバッグの中でもケリーは特に人気が高く、正規店での購入が極めて難しいバッグです。
現在ブランドバッグの最高峰とされる「バーキン」と並び、中古市場での流通価格も非常に高額となっています。
バーキンと比較すると、平均的な買取率はやや下がってしまうものの、人気の高い小型サイズや、レアなアイテムであればバーキンと遜色なく高価でお買取が可能です。
近年は買取相場も上昇傾向にあり、新品だけなく古めの使用感のあるケリーにもお値段がつきやすい状況です。
小型のケリー25はプレミア価値が高い

買取相場が特に高騰しているのは小さいサイズのケリーです。
現行ケリーの主なサイズ展開は三種類です。
- ケリー25(横幅25cm)
- ケリー28(横幅28cm)
- ケリー32(横幅32cm)
上記に加えて、ミニケリーという特別小型なモデルや、ケリー35以上の大型モデルも存在しますが、現在エルメスではあまり生産されていないため、流通数もかなり少なくなっています。
定番サイズの中ではケリー25の買取相場が大きく高騰していて、新品のケリー25だけなく、中古品でも状態が良い品に関しては、定価以上でのお買取が可能です。
定番のケリー28は中古市場でも安定して需要が高く、ケリー25に次いで人気のサイズですが、ケリーは32以上のサイズになると買取相場が下がってしまう傾向にあります。
珍しいケリーについて詳しく見る
ヴィンテージ品も高騰中

古いケリーと新しいケリーを大きく分けるのが金具の形状です。「旧金具の仕様」となっているヴィンテージのケリーは買取相場が安くなってしまいます。
ただしコロナウイルスの感染拡大が世界的流行となって以来、中古市場の流通数も減っているため、新品ほどではありませんが、ヴィンテージ品に関しても数年前より20万円前後高騰している傾向にあります。
現行品の金具の仕様のモデルの方が相場は高いですが、旧金具に関してもかなり高い相場となっていると言えます。
ケリーの新金具の形状

おおよそ2000年以降に製造されたケリーは、ストラップを付ける部分が二又(V字型)となっています。
ケリーの旧金具の形状

それ以前のヴィンテージのケリーはストラップを付ける金具がない仕様です。
中古市場においては、金具の仕様によってより古いモデルか、現行のモデルかが相場に大きく影響する要因となります。
ケリーの新旧モデルについて詳しく見る
高値が付きやすいモデルの傾向
細かなケリーの買取価格に関しては、当ページの買取事例をご参照ください。
ここでは高値が付きやすいケリーの傾向についてご紹介しています。
ケリーは外縫いモデルの人気が高い

ケリーには「外縫い」「内縫い」の二つの仕様があります。必ずではありませんが、使われる素材によって外縫いと内縫いに振り分けられて生産されています。
外縫いのケリーは縫い目が外にありフォルムがくっきりとしていて、よりフォーマルな印象を受けます。
反対に内縫いのケリーは縫い目が折り込まれていて、角に丸みがあるカジュアルな印象となります。
どちらも同じケリーですが、外縫いと内縫いで見た目の印象も変わり、仕様に買取相場が異なるというのもケリーならではの特徴です。
近年は外縫いモデルの生産数が少ない傾向にあり、外縫いモデルのケリーの方が買取相場が高くなっています。
外縫いのケリーに用いられる素材
外縫いのケリーには以下の素材が用いられます。
- ヴォーエプソン
- タデラクト
- ボックスカーフ
- クシュベル
現行品で外縫いのケリーにはエプソン素材が使われている場合が多く、新しめのエプソン素材のケリーは一番高値が付きやすい素材となっています。
ヴィンテージ品はボックスカーフやクシュベル素材が使われているモデルが非常に多いです。
数は非常に少ないですが「トゴ素材で外縫いモデル」「ボックスカーフで内縫いモデル」なども生産されていますが、基本的には上記素材であれば外縫いモデルである場合がほとんどです。
内縫いのケリーに用いられる素材
内縫いのケリーには主に以下の素材が用いられます。
- トゴ
- トリヨンクレマンス
- エヴァーカラー
- ヴォースイフト
- アルデンヌ
- フィヨルド
これらの素材が用いられたケリーは、ほとんどが内縫いモデルでの展開となっています。
エルメス全体として一番人気の高い素材は「トゴ」「トリヨンクレマンス」となっており、内縫いモデルでもどちらか二つの素材であれば買取価格は高い傾向にあります。
その他限定素材やエキゾチックレザーのモデルに関しては、年代によって外縫いも内縫いもどちらも生産されている場合が多いです。
シンプルな色味のケリーは買取相場が高い
色味に関しては、よりシンプルな色味である方が需要が高く、買取相場も高いです。
エルメス製品全般に関してですが、いわゆる定番色とされる下記のような色のケリーは人気が高いです。
いずれも黒やグレー系、ベージュ系などの色味となっており、上記以外でもそれに近いグレー系やモノトーンカラーのケリー買取相場が高い傾向にあります。
シンプルな定番色であれば定価以上で買取可能
上記のような定番色の新品ケリーであれば、ケリー25、ケリー28共に定価以上でのお買取が可能で買取価格200万円以上となるモデルも多いです。
特に「エトゥープ」「ブラック」は中古市場でもっとも人気が高いカラーとされていて、常に買取価格が高い状況が続いています。
特に下記のようなモデルは非常に高い買取価格となっています。
- ケリー25新品(ブラック・エプソン・GLD金具・U刻印)買取価格:250万円前後
- ケリー28新品(エトゥープ・エプソン・GLD金具・Z刻印)買取価格:230万円前後
鮮やかなカラーはやや相場が下がる

シンプルなカラーは高値が付きやすい一方で、鮮やかなカラーのケリーはやや買取相場が安めです。
一部ピンク系の「ローズサクラ」やイエロー系の「ジョーヌプッサン」など人気の高いカラーを除く、ブルー系やレッド系などは定番色と比較すると大きく買取価格が下がってしまいます。
新品で比較しても30万円以上買取価格が下がってしまう傾向にあります。
珍しいケリーにはプレミア価格が付いている

ケリーにはプレミア価格となっているモデルも多数存在します。
珍しいケリーや希少性の高い小型のケリーの買取相場は極めて高額です。
プレミア価格になっているミニケリー
現在ケリーのプレミアモデルとして代表的な「ミニケリー」は、90年代に生産されたヴィンテージのミニケリーと呼ばれる品と、現行品の「ミニケリー2(ミニケリードゥ)」のどちらもがプレミア価格です。
特にヴィンテージ品は当時の定価の数倍もの買取価格にまで跳ね上がっていて、当時購入されている方は買った金額の何倍にもなっています。
少なくとも20年以上経っているモデルのため、状態の判断はシビアにはなっていますが、発売以降いまが一番高値が付いている状況です。
ミニケリーについて詳しく見る
珍しい素材のケリーは通常の素材よりも高値

過去のケリーは通常の革素材の他にも、様々な素材で珍しいモデルが展開されています。
- トワルアッシュ:本体の一部がキャンバス素材
- トワルジーン:本体の一部がジーンズ生地
- ダルメシアン:水牛革を黒白カラーに染めた生地
- ヴィブラート:山羊革を織り重ねた素材
- クリノラン:馬毛と麻毛で織り上げた素材
これらの異素材のモデルは、通常モデルと比較し極めて流通数が低く、相場も高めです。
いずれも希少品のため相場変動が激しいですが、市況に応じて正しくお査定させていただいております。
その他プレミア価格となっている特殊なケリー
素材やサイズ以外でも珍しいケリーはたくさんあります。
- ケリーピクニック:カゴ素材のケリー
- ケリーラキ:正面にポケットがあるケリー
- ケリーギリーズ:ステッチの柄が入ったケリー
こういったお品物も希少性が高く、当時の購入価格を上回る金額のご提示が可能なケースが多いです。
ケリーに関しては、エキゾチックレザーなどの高級素材でなくとも、プレミア化しているモデルが多数存在します。
パーソナルオーダーのケリーについて

エルメスでオーダーしたケリーに関しては、通常のモデルよりも高くご評価することができます。
オーダー品に関しては、色の自由度が高く、基本的には二色を使ったツートンカラーや、ケリーであればトリコロールカラーなどもオーダーすることができますが、色の組み合わせによって大きく買取価格が変わってくる点は注意すべきポイントです。
既製品のケリーにも多色使いのモデルがありますが、パーソナルオーダーのエルメス製品には「馬蹄マークの刻印」が施されています。

人気の高いブラックやグレー系を含めた組み合わせであれば、高額でのお買取が可能な一方、鮮やかなカラーの組み合わせなどの場合、かなりお買取価格が下がってしまう傾向にあります。
素材や金具の色などに関しては、通常のケリーと同じく人気によって買取価格が変わってきます。
パーソナルオーダー品のケリーに関しては、色によって特に買取価格が変わってきてしまうため、詳細な買取価格を知りたいという方は是非お気軽にご相談いただけますと幸いです。
ケリーの状態ランク基準の補足

ケリーは買取価格が非常に高額なバッグとなります。
その分、中古品のご評価をする際、よりシビアに状態の判断をさせていただきます。
弊社の状態判断基準についてご紹介します。
角スレの状態を元にしたケリーの状態ランク目安について
もっともわかりやすい「角スレ」について、ランクごとの参考写真を掲載しております。
実際に状態ランクは総合的な判断とはなりますが、買取実績をご参照いただく際には以下のような基準で見ていただけるとより参考になるかと思います。
(※写真はバーキンを使用しています。)
Aランク相当

実際にはほぼ傷なしということで、使用していただく分には気になる傷や汚れはないという程度となります。
ABランク相当

わずかにスレ傷がある程度で、普通に使用していれば気をつけていても付いてしまう程度となります。
Bランク相当

ある程度使用感が目立つという印象を受けます。そこまで範囲が広くないため、この程度であればBランクのご評価です。
BCランク相当

かなりスレ傷が多く、バッグ本体の色が擦れて落ちてしまい白くなっています。角というよりも広範囲にスレが見られるとBCランクのご評価となります。
状態ランクによる金額差はどれくらいか
同じモデルのケリーでも状態ランクによって大きく金額差が出ます。
比較的新しいモデルと古いモデルの二つの例を挙げてみますので、金額の参考にしてみてください。
高額品のケリーはランクがBランク以下になってしまうと、かなり買取価格も落ちてしまう傾向にあります。
ケリー28(ゴールド・トゴ・SLV金具)□Q刻印2013年製造の例
- Aランク買取相場:130万円前後
- ABランク買取相場:110万円前後
- Bランク買取相場:85万円前後
- BCランク買取相場:60万円前後
ケリー28(ブラック・ボックスカーフ・GLD金具)○Z刻印1996年製造の例
- Aランク買取相場:80万円前後
- ABランク買取相場:65万円前後
- Bランク買取相場:40万円前後
- BCランク買取相場:30万円前後
状態の悪いケリーの買取傾向について詳しく見る
買取価格を少しでも上げるためのコツ
ケリーは他のブランドバッグと比較しても買取率が高く、買取価格はどんなに安くとも数十万円以上です。ただし金額が高価な分、少しのポイントで査定価格は大きく変わる傾向にあります。
ファーストクラスでは商品状態やモデルを正確に把握し、最新の市場相場を元に金額のご提示をさせていただいております。
そのため、直前に何かして「買取価格を少しでも上げるというのは難しい」というのが正直なところですが、少しでも高く売る上で知っておいていただきたいポイントをご紹介します。
年式による金額差が大きい
ケリーを含め、エルメスの品物は全てシリアルナンバーが刻印されています。その刻印から製造年を読み取ることが可能です。
そのため、中古市場では製造年が新しいものほど高値が付きやすく、これは全てのケリーに共通して言えます。
- 〜○Z刻印、□A刻印〜□C刻印(1999年より前の製造)→ヴィンテージ品
- □D刻印〜□N刻印(2000年〜2010年の製造)→やや古め
- □O刻印〜A刻印(2011年〜2017年の製造)→やや新しめ
- C刻印、D刻印、Y刻印、Z刻印、U刻印(2018年以降の製造)→かなり新しめ
あくまでイメージにはなりますが、こういった括りで買取価格が変わってきます。
色や素材の人気も大きく影響しますが、基本的には早めにご売却した方が高値が付きやすいです。
ゴミや埃を取り除く
シンプルなことですが、査定前にバッグの内側やポケットなどは掃除していただくこともおすすめです。
原則として、査定員がすぐに落とせると判断できるものであれば、金額には影響しません。
ですが、汚れた状態での査定の場合、その段階では落とせない可能性があると判断しなくてはならないケースがございます。
私たちは査定の際、お品物を丁寧に扱うよう心がけているため、その場で汚れを取り除いたりはいたしません。
そのため事前に少しでも綺麗にできるものは綺麗にしていただく方が金額のご提示もより正確におこなうことができます。
査定に影響する付属品

ケリーの買取査定で金額が変わる付属品についてですが、弊社では中古品のお査定の場合「箱」「布袋」などといった、本体の使用に直接関係しない購入時の付属品は評価対象にはしておりません。
新品の場合には箱なども含め購入時の状態であることが条件になりますが、中古品の査定において箱がないから減額とはなりません。
ショルダーストラップの有無は10万円単位で減額対象となるので注意
ケリーのストラップは単体でも販売されるほど、ストラップだけの価値も高いです。
近年では別売りのストラップも多数展開されていますが、付属のストラップでも単体で5万円-10万前後の価値があります。
ヴィンテージ品に関しては特にストラップの欠品は大きく査定に影響します。紛失されている場合でも、できるだけ探して合わせてお査定するのがオススメです。
カデナ・クロシェットも数万円の減額対象に
カデナとクロシェットに関しても、ストラップほどではないものの、ないと減額対象となる付属品となります。
通常素材のケリーであれば、どちらも欠品の場合には3万円-5万円前後の減額となってしまいます。付属品ではあるものの、ストラップ同様クロシェット・カデナも価値があるものだからです。
ケリーの買取相場は流行りやトレンドによって大きく変動する

ケリーの買取相場は日々大きく変動します。
バーキンと並び世界的な需要と人気があるケリーは、日本国内だけでなく、世界規模の市場での流通数や売れ行きによって相場が決められます。
新品のケリーは特に相場変動が激しく、時期によって数十万円の差が出ることも珍しくありません。
古い品物に関しては、基本的にある程度相場が固まっているため、新品ほど変動はないものの、珍しい品物などは一年で倍以上高騰したりすることもあります。
コロナウイルスで世界中の市場が滞っている現在、ケリーの中古相場はかつてないほど高値を付けています。
眠らせていたケリーを売却する時期としては、自信を持っておすすめできる状況です。
弊社では様々な市況を総合的に判断し、それを元に最適な買取相場をご案内しております。
相場について気になることがあれば、是非お気軽にご相談ください。