バーキンの希少な外縫いモデル「バーキンセリエ」の特徴や買取相場の傾向とは
エルメスのバーキンには外縫いモデルがあります。
同ブランドのケリーは「外縫い」「内縫い」のどちらも通常のラインナップとして展開していることで有名ですが、バーキンの外縫いモデルは希少性が高く、まだまだ市場の流通数は決して多くありません。
今回は外縫いのバーキン「バーキンセリエ(Birkin Sellier)」について、素材展開などの特徴や現在の買取相場の傾向について解説していきます。
バーキンセリエとは
「バーキンセリエ(Sellier)」とは、2015年に初登場した外縫いのバーキンの名称です。
sellierとはフランス語で「サドル」を意味し、元々馬具メーカーだったエルメスならではの名称が付けられていると言えます。
2020年に再登場し注目が集まる
実は2015年に一度登場(T刻印とX刻印)しましたが、国内市場にはほぼ流通しておらず、海外で限定での展開だと言われていました。(※一部国内VIP顧客であれば購入できたかもしれません)
国内正規店での販売はほとんどなく、中古市場にもほぼ流通していなかったため、よほどのエルメス好きでない限りそもそも知られていなかったと思います。
しかしバーキンセリエは2020年に再登場し、国内でもある程度の数が販売されたことで、一般的な認知度も飛躍的高まり、現在では中古市場で検索すればある程度の数がヒットするくらいの状況となりました。
外縫いモデルの特徴
外縫いというとエルメスの「ケリー」が有名です。
ケリーは古くから、外縫いと内縫いの二つモデルが存在し、内縫いは縫い目が内側に埋め込まれている形状となっていて、全体的なフォルムに丸みがあります。反対に外縫いは縫い目が外に露出していて輪郭がよりくっきりとします。
内縫いはカジュアルな印象を受ける一方、外縫いとなるとかっちりとしたフォーマルな印象となり、好みが分かれる点です。
バーキンセリエに関してもケリー同様、通常のバーキン(内縫いのモデル)よりもかっちりとしたフォーマルな印象となる特徴があります。
外縫いモデルは一部素材でのみ展開
バーキンセリエは素材のバリエーションが通常のバーキンほど豊富ではありません。
ケリー同様に、外縫いモデルは比較的固めの素材でのみ展開されるため、ある程度用いられる素材が限られます。
エルメスで用いられる素材に関しては、別途記事にて解説しているため、宜しければ併せてご覧ください。
バーキンセリエの素材展開について
現在バーキンセリエで確認されている素材は以下となります。
- ヴォーマダム
- ヴォーエプソン
- ヴォームッシュ
いずれもエルメスで使われる素材の中では、硬めの素材が用いられる傾向になります。
トゴ、トリヨンなどは製造されていない
バーキンでよく用いられるトゴやトリヨンクレマンスといった柔らかめの素材では展開されていません。
バーキンセリエにおいては、エプソン素材がもっとも人気の傾向にあり、マダムやムッシュなどはスイフトと特性が似ていて、爪傷等が付きやすいといった理由から、中古市場ではやや相場が安めとなっています。
バーキンセリエの中古市場や買取においての価値
バーキンセリエの定価は通常の内縫いモデルより、およそ10万円程度高く設定されています。
バーキン25エプソン素材の参考定価が以下となっております。
バーキン25(エプソン素材) | バーキン25セリエ(エプソン素材) |
---|---|
1,441,000円 | 1,584,000円 |
やや定価が高く設定されているものの、希少性が高いため中古市場では定価以上の金額で流通している傾向にあります。
バーキンセリエの市場価格
2023年12月現在でのおおよその新品状態での市場価値が以下となっております。
サイズ | |
---|---|
バーキン25セリエ | 300万円〜350万円前後 |
バーキン30セリエ | 280万円〜330万円前後 |
※人気色が上限、その他の色が下限くらいのお目安となります。
バーキンセリエ自体、昨年登場したモデルのため、かなり相場も高めとなっています。
しかしやや市場に出回ったことで人気も下火になりつつあるため、通常のバーキンとの金額差もそこまで大きくなくなってきました。
サイズが小さめのバーキンセリエは定価以上での買取が可能
現状のバーキンセリエの傾向として、2020年の出始めと比較するとやや人気も下がってきています。
販売価格は高水準を保っていますが、売れ行きとしては通常の内縫いモデルのバーキンの人気色には劣るという現状です。
そのため買取相場としては、販売価格ほど高値が付きづらい傾向にあります。
- バーキン25セリエ買取相場:200万円-250万円前後
- バーキン30セリエ買取相場180万円-230万円前後
定価が安易人気の高い「バーキン25セリエ」であれば、確実に定価以上でのお買取が可能となっております。
人気カラーであれば、定価のプラス50万円くらいが買取相場の目安です。
バーキン全般小型のモデルであれば定価以上でのお買取相場となっているため、バーキンセリエの買取相場が極めて高いことはありません。
ですがまだまだ希少価値が高いため、人気色や人気の素材であれば、買取相場も高くなっています。
まとめ
バーキンセリエは今後のエルメスの製造数次第で、まだまだ相場が上下動することが考えられます。
ただし現状の印象としては、ファーストバーキンに選ばれる方は少なく“2個目、3個目のバーキンとして購入されている方が多い”と感じるため、中古需要が極めて高いということもないかと思います。
販売相場自体もやや下がってきているため、買取相場も落ち着きつつあります。
しかし希少なバーキンであることには変わりないため、今後また製造されないということになれば、より高額なプレミア化する可能性も捨て切れません。
この記事を監修した人
代表取締役
小林嶺